*2021年7月5日更新
自分の漫画を電子書籍で出版するには、特に難しい専門知識は必要ありません。
もちろん自分で電子書籍を作ることは可能ですし、原稿データを取次サービスに送って製本化してもらうという方法もあります。
自分の漫画を電子書籍で出版するには、主に下のような方法があります。
・自分で原稿を編集し、KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)で出版する
・取次サービスに原稿データを送り、電子書籍サイトに配信を依頼する。
*取次とは、電子書籍の製本と多数の電子書籍サイトへの配信依頼を仲介する業者です。
僕は自分の漫画の電子書籍を出していますが、おすすめは「取次サービスに原稿データを送り、電子書籍サイトに配信を依頼する」ですね。
その利点は以下の通りです。
ポイント
・原稿データを送ってしまえば取次サービスで電子書籍に製本化してくれる。
・取次のサービス利用の際は定額の利用料等は一切必要無し(電子書籍が購読されてから手数料が引かれます)。
・数多くの電子書籍サイトでの配信が可能(個人で配信契約は難しい)。
・キャンペーンで販売促進をしてくれる。
・個人出版では難しいKindle Unlimited(定額読み放題サービス)扱いにもしてもらえる。
目次
・印税(ロイヤリティ)について
一般的に紙の単行本の印税率は10%です。
単行本定価×印税率10%×印刷部数=作者へのロイヤリティ
になります。
KDPで出版する場合は、印税率が「70%」と「35%」の2種類選択できます。
「Kindleセレクト」の場合、「70%」を選べますが、条件としてamazonのみの専売になり、他の配信ストアでの販売が出来ません。
そのため自分のウェブサイトで漫画を公開している場合は、公開を止めなければなりません。
「35%」の場合は他の電子書籍サイトでの配信は可能ですが、個人が電子書籍サイトと配信契約を結ぶことはとても難しいです。
またKindleは、電子書籍の宣伝、販売促進を一切してくれません。作者自ら宣伝活動しなければなりません。
SNS等を利用して多くの人たちに自作を広める必要があります。
取次サービス利用の場合は、各電子書籍配信ストアにて決められたロイヤリティ利用規約に基づき、電子書籍が購読されてから、ロイヤリティ(印税)から事務手数料20%(2021年7月現在。ストアにより違いあり)を差し引いた額を「売上」として、銀行振込手数料を引いた金額が、作者の銀行口座に支払われることになります。
例・電子書籍の定価を100円と仮定した場合、1冊あたりの売上
100円(定価)×Kindle印税率35%の場合=35円(印税)
35円×事務手数料20%=7円
35円-7円=28円(売上)
1冊あたりの売上28円として、×販売冊数(ダウンロード数)が総売上で、銀行振込手数料を引いた金額が、作者の銀行口座に支払われることになります。
紙単行本の場合は印税率10%で、電子書籍の印税率よりは低いですが、印刷部数の分だけ確実に作者にロイヤリティが入ります。
これは本が売れなくても、印刷した冊数分の印税は作者が手にすることができるというわけです。
しかし本が売れなければ、今後増刷はありえません。書店から返本されることになります。
そのまま絶版になる可能性もあります。
電子書籍の印税率は配信ストアにもよりますが、30%~70%なので、紙の単行本よりも印税率は高いです。
しかし電子書籍は印刷部数という概念が無いので、売れた数(ダウンロード数)で作者が手にするロイヤリティが決まります。
紙の単行本ならば本が売れなくても印刷した部数分の印税が作者に入りますが、電子書籍の場合は高印税率であっても一冊もダウンロードされなければ売上は0円です。
ただし、配信ストアから返本されることはありません。配信ストアに電子書籍は置かれ続け、ネット上で365日24時間営業で販売され続けるというメリットがあります。
作者にネームバリューがありファンが多くいる場合はKDPで「70%」という高印税率で売れることもありますが、初心者にはまずハードルが高いです。
KDPで電子書籍を作ることは難しくはないのですが、販売に関しては「上級者向き」と言えるでしょう。
取次サービスを利用する場合は、電子書籍の出版までは基本無料であり、デジタル原稿データを送れば製本する手間もいらず、数多くの電子書籍ストアで配信してもらえるので、初心者におすすめです。
・取次サービスへの依頼
自作漫画電子書籍を作る場合、CLIP STUDIOやPhotoshopで自分でデジタル原稿データを作ることができれば、大部分の取次サービスでは利用の際は定額の利用料等は一切必要ありません(要確認)。
また作品の著作権利は作者である漫画家にあり、大部分の取次は一切権利を主張しません(大事なことなので確認が必要です)。
「デジタル原稿データ」を作るとは、
・「表紙、本文、奥付の制作、写植(必要な場合)」をPCで自作できる。
・手描き原稿であっても、スキャンして上記のように「デジタル原稿データ」を作れる。
・取次指定の原稿サイズと解像度で、jpg、またはpsdファイルを作成できる。
ことを指します。
電子書籍の「デジタル原稿データ」を製作するソフトには、以下のものがあります
・CLIP STUDIO
漫画作成ソフトです。
電子書籍を作るための機能が入っています。
僕は所有していないので使い方の説明は割愛します。
・Photoshop
画像加工ソフトです。
僕は、これを使っています。
作り方は後日解説します。
・Kindle Comic Creator(フリーソフト)
無料ダウンロードできる「電子書籍製本化ソフト」です
製作した電子書籍はKindleとして配信、販売ができます。
作り方は後日解説します。
「デジタル原稿データ」は、「GigaFile便」などのファイル転送サイトを利用してKindleまたは取次に送信します。
「GigaFile便」
(ページ上部に大きい広告あり。下にスクロールすると記入欄があります。)
ここまで基本的に無料です(取次によります。要確認)。
デジタルデータ化しない手描き原稿でも取次が受け付けてくれる場合もありますが、「スキャン、写植打ち、表紙デザイン等」を依頼する場合は有料、または売上から引かれる手数料の%が増える場合もあります(取次と要確認)。
僕がお世話になっている取次サービスは「電書バト」と「ナンバーナイン」です。
・「電書バト」は漫画家・佐藤秀峰先生の「マンガonウェブ」(佐藤漫画製作所)の取次サービスです。
佐藤秀峰先生自身が漫画家であるため、漫画家の立場や心情を考慮していただけた上で電子書籍化をしていただけます。
僕は「イル・マンガ・ミリオーネ -東方漫画見聞録-」を出していただいています。
イル・マンガ・ミリオーネ -東方漫画見聞録- 連載第1話(以降1話ずつ続巻)
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「電書バト」への電子書籍出版依頼のやり方
(一番上の画像は「電書バト」のサイトです) *2021年7月5日更新 (紹介記事の内容は「電書バト」のサイトを参考にしております。) 「電書バト」は漫画家・佐藤秀峰先生の「佐藤漫画製作所」が受け付けて ...
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・「ナンバーナイン」は2018年に設立された新規の取次サービスです。
取次を介して最大170(2020年5月現在)の電子書籍ストアへ配信するサービスをおこなっています。
スタッフみんなが無類の漫画好きということもあり、漫画の電子書籍配信については本当に親身に対応していただています。
僕は「トキ クラウドファンディング記録集」を出していただいています。
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「ナンバーナイン」への電子書籍出版依頼のやり方
(一番上の画像は「ナンバーナイン」のサイトです) *2021年7月5日更新 (紹介記事の内容は「ナンバーナイン」のサイトを参考にしております。) 「ナンバーナイン」は2018年に設立された新規の電子書 ...
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・まとめ
電子書籍は「Kindle Comic Creator」を使えば自分でKindleの電子書籍形式のファイルを作ることが出来ます。
どんな作品を描いても自由ですが、出来上がった電子書籍はKindleの審査をクリアしないと販売が出来ません。
また、よっぽどファンの数が多い人でないと自分の電子書籍の購読数は見込めません。
よっぽど拘りがあるのなら自作漫画を自分の思うように販売してもいいとは思いますが、個人で電子書籍を販売するのは容易ではありません。
原稿データを取次サービスに送って電子書籍化してもらうほうが楽だし、多くの電子書籍サイトで配信してもらえるので、僕は取次サービスを利用したほうがお得だと思っています。
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「電書バト」への電子書籍出版依頼のやり方
(一番上の画像は「電書バト」のサイトです) *2021年7月5日更新 (紹介記事の内容は「電書バト」のサイトを参考にしております。) 「電書バト」は漫画家・佐藤秀峰先生の「佐藤漫画製作所」が受け付けて ...
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noteの使い方
noteとは、自分が書いた記事を有料で売ることができる無料のブログサービスです。 記事だけでなく漫画も投稿でき、それの値段を税込100円〜10,000円に設定して売ることができます。 購入者は課金する ...
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