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【お宝漫画】「スーパー巨人」滝沢解・作/森村たつお・画【おすすめ】

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*一番上の画像は僕所蔵の本です。「スーパー巨人」(滝沢解・作/森村たつお・画、秋田書店)より引用

1978年に週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載された「スーパー巨人」です。
一言で言えば、早過ぎた「攻殻機動隊」ですね。

ネットが星を覆うよりも遥か昔、windows95が世間にパソコン需要を広めるよりも遥か昔に描かれた「コンピュータSF」です。

読み方は「スーパー巨人(きょじん)」です。ジャイアンツではありません。当時は野球漫画を連想した人もいたようです。

(あらすじ)

自作マイコン作りが趣味の少年、本田工作は自分のマイコンに「ダン」と名付けた。

ある時「ダン」は「スーパー巨人」なる存在からハッキングを受けた。「スーパー巨人」はコンピュータを搭載している機械をハッキングしコントロールすることができる。インフラをコントロールして人類を配下に置こうと企んでいた。

「スーパー巨人」の企みを知った本田工作はダンと共に「スーパー巨人」に立ち向かっていった。

1978年、パソコンはまだ「マイコン」と呼ばれ、特定の趣味の人間だけが扱うようなものでした。
インターネットどころかパソコン通信すら無い時代に、コンピュータのハッキングが描かれているのはとても画期的なことといえます。
「スーパー巨人」でのハッキングも当然オンラインではなく、無線コントロールによるものです。これもWi-Fiだと考えると、なんて時代を先取りした漫画なんだと思います。

「ダン」のデザインもコンビニのレジのようなデスクトップ型ですが、「スーパー巨人」の動向を探るようになってから、本田工作はダンをリュックに入れて持ち運ぶようになりました。デスクトップパソコンを無理矢理モバイルとして使っているようで、2020年の現代から見るととても可笑しく感じます。
1978年当時はコンピュータのモバイルという概念が無かったので当然だと思いますが、マイコンを「持ち運ぶ」というのはストーリー上必要だとしても当時としてはなかなかのアイデアだと思いました。

「ダン」は宇宙人(?)ラビのロボット「雪之丞」の手により改造され、知性を持ち喋れるようになります。その後に本田工作はダンの新しいボディを作り、「ダン」はスターウォーズのR2-D2のようなロボット型になります。
僕としては「ダン」はマイコンだから魅力的だったと思うので、ロボット型にしたらマイコン感が薄れてしまうので面白味が無くなったように思えました。

1978年といえば、週刊少年チャンピオン黄金期でしたね。パッと思い付くだけでもこれだけの作品がありました。

・「青い空を白い雲がかけてった」あすなひろし先生
・「エコエコアザラク」古賀新一先生
・「がきデカ」山上たつひこ先生
・「月とスッポン」柳沢きみお先生
・「ドカベン」水島新司先生
・「750ライダー」石井いさみ先生
・「花のよたろう」ジョージ秋山先生
・「百億の昼と千億の夜」光瀬龍先生・作、萩尾望都先生・画
・「ブラックジャック」手塚治虫先生
・「マカロニほうれん荘」鴨川つばめ先生
・「らんぽう」内崎まさとし先生
・「レース鳩0777」飯森広一先生
・「ゆうひが丘の総理大臣」望月あきら先生

(作品50音順)

この中に「スーパー巨人」もありましたからね。当時の週刊少年チャンピオンは凄かったです。
確か少年誌初の発行部数200万部越えを達成しています。

当時僕は小学5~6年生でしたからね。こういう漫画を読んで育ったら好きな傾向が固まりますよw。

2020年の現代から見ると「スーパー巨人」は結構ツッコミどころが多いです。それでも1978年当時のコンピュータ、特にマイコンの時代背景を考えると「スーパー巨人」は先駆的なコンピュータSFだと分かります。
コンピュータをハッキングされ悪用される恐ろしさは現代にも通じます。それを1978年の段階で描いているのがスゴイんですよ。
荒唐無稽な部分もありますが、それも含めて漫画としてパワーがあって面白いんですよ。

「スーパー巨人」以降のコンピュータSFは、僕が知っている範囲だと1982年の「わたしは真悟」(楳図かずお・著)、そして1989年の「攻殻機動隊」(士郎正宗・著)になります。これらの漫画が90年代以前でありインターネット普及前に描かれているのが驚きです。
さらに前回紹介した「エルソナシンドローム」にも繋がるのかもしれません。

目次

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連載当時にリアルタイムに読んだときも面白さはありましたが、2020年の現在、インターネットの理解が深まった今から読み直すと、知識がある分さらに味わい深く読めます。

 

作画配信内での「スーパー巨人」の紹介(08:33より)

「お宝漫画」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。

過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「お宝漫画」紹介になっていることが多いです。

 

僕は「スーパー巨人」を連載時にリアルタイムで週刊少年チャンピオンで読んでいました。好きな作品でしたが当時なぜだか単行本を買っていなかったので、後に探すのに苦労しました。
古本屋を巡ってやっと手に入れたのが上の写真にもある第3巻のみですからね。
今や「幻の漫画」や「お宝漫画」となっているようで、amazonでも高値が付いています。
紙単行本のみで電子書籍は出ていないようです。

僕の本棚には、僕の趣味で保管しておいた漫画が、期せずして「お宝」になってしまったものが数多くあります。
「お宝」といってもプレミアが付いて値段が高騰しているものという意味ではありません。
存在そのものが希少となり、現在、紙媒体として入手困難なものを僕の中で「お宝」と定義しています。
「お宝」とまではいかないものの、一風変わったレア度の高いものは、「漫画紹介」のカテゴリに入れています。

このブログではそんな「お宝漫画」などを紹介していきます。

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