*一番上の画像は僕のスクラップからです。「まんがアマデウス」(安永航一郎・著/小学館)より引用
「県立地球防衛軍」の著者、安永航一郎先生による、映画「アマデウス」のパロディ怪作です。
(あらすじ)
養護施設に入居している老人、彼はその昔、週刊少年「コンコルド」の「浅草ポリマー(仮名)」という人気漫画家だった。
物語は彼の回想で語られる。
その昔、彼の仕事場に「淀橋ガッチャマン(仮名)」という新人漫画家がスタッフとして入ることになった。
「淀橋ガッチャマン(仮名)」の画力は「浅草ポリマー(仮名)」を遥かに凌ぐクオリティだった。
危機を感じた「浅草ポリマー(仮名)」は、将来自分の存在を脅かす存在になるであろう「淀橋ガッチャマン(仮名)」を潰そうと画策していくのだった。
映画「アマデウス」は、音楽家・モーツァルトの才能に嫉妬した、サリエリの回想録です。
「まんがアマデウス」は映画の内容を「漫画家」に置き換えており、映画のシーンを踏襲している部分もあります。
主人公、浅草ポリマー(仮名)はサリエリを意識したキャラクターです。
淀橋ガッチャマン(仮名)はモーツァルトを意識したキャラクターです。淀橋ガッチャマン(仮名)はアシスタントとして浅草ポリマー(仮名)の仕事に参加します。
淀橋ガッチャマン(仮名)の画力は、浅草ポリマー(仮名)を凌駕するほどでした。嫉妬心が芽生えた浅草ポリマー(仮名)は、淀橋ガッチャマン(仮名)を追い詰めようと画策します。
映画「アマデウス」では、サリエリの画策によりモーツァルトは生活が困窮していきました。
モーツァルトの妻は彼を救うために、夫の新作楽譜を持ちこんでサリエリに相談します。
サリエリはモーツァルトの楽譜を見て驚愕します。その楽譜は書き損じや書き足し修正が一切無い状態で、最初から最後まで一気に書かれていました。
つまりモーツァルトの頭の中には曲が完璧に出来上がっているため、何の迷いも無く一気に書き上げられるわけです。
それは正に「神の楽譜」です。
「まんがアマデウス」では、「淀橋ガッチャマン(仮名)」の妻が、夫の原稿を持ちこみ、それを見た「浅草ポリマー(仮名)」が、ホワイトのシミ一つどころか下描きの跡すら無いことに驚愕します。
映画「アマデウス」ではモーツァルトに対するサリエリの仕打ちがひどいのですが、「まんがアマデウス」では「淀橋ガッチャマン(仮名)」に対する「浅草ポリマー(仮名)」の仕打ちがもっとひどいです(笑)。
ただ漫画家視点で見ると洒落にならない部分もあるので、僕にとっては笑うに笑えない部分も多々ありました(苦笑)。
「まんがアマデウス」は週刊スピリッツ増刊号に掲載された読切です。
この漫画は相当レアらしく、単行本にも未収録だそうです。グーグル画像検索にかけても画像がヒットしません。Wikipediaの安永航一郎先生のページにも書かれていません(2020年5月26日現在)。
つまり、読んだり見たりしたことがある人はいても、所有している人がほぼいないだろうということです。
週刊スピリッツ増刊号というだけでも手にしている人の数は本誌よりも少ないと思いますし、約30年前の読切漫画となると更に所有している可能性は低くなります。
僕が週刊スピリッツ増刊号を購入したのは、当時僕は都内で漫画家アシスタントをしており、近所のアシスタント仲間の友人が新人賞に入賞して作品が掲載されたからです。
その本に「まんがアマデウス」も掲載されていたのでした。
僕も漫画家アシスタント仲間の作品が掲載されていなかったら、週刊スピリッツ増刊号は購入していなかったと思います。
偶然の出逢いに、神に感謝です。
安永航一郎先生の漫画は単行本未収録のものが多いので、雑誌掲載されたものを買っておかないと二度と読めなくなりますね。
そういう作品の一つに「定吉七番」シリーズもあります。これは東郷隆先生の小説版を原作として、安永航一郎先生が漫画版を描かれていますが、安永先生のテイストがめっちゃ濃いです。
内容はイギリス特撮「謎の円盤UFO」のパロディにもなっていて、好きな人にはたまらない作品です。
僕のスクラップにもあります。安永先生の作品はスクラップに取っておくだけで「お宝」になってしまいますね。
僕の作画配信内での「まんがアマデウス」の紹介です。
「お宝漫画」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。
過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「お宝漫画」紹介になっています。
「県立地球防衛軍」は現在、完全復刻版が出ています。
表紙の装丁は昔の少年サンデーコミックスに似ていますが現在の絵柄で描き下ろしになっていますね。
写真は僕所有の約30年前の単行本です。
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「お宝」といってもプレミアが付いて値段が高騰しているものという意味ではありません。
存在そのものが希少となり、現在、紙媒体として入手困難なものを僕の中で「お宝」と定義しています。
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