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【お宝漫画】「the SPIRIT of WONDER」鶴田謙二・著【おすすめ】

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*一番上の画像は僕所蔵の本です。「the SPIRIT of WONDER」(鶴田謙二・著/講談社)より引用

鶴田謙二先生の「SPIRIT of WONDER」といえば「チャイナさんシリーズ」を思い浮かべる人も多いと思いますが、元々はショートSF読切のシリーズで、チャイナさんがシリーズに入ったのはだいぶ後なんですよね。

「SPIRIT of WONDER」も最初はタイトルに「the」が入った「the SPIRIT of WONDER」でした。

最初の単行本は「the SPIRIT of WONDER」で、チャイナさんシリーズは収録されていません。初版が「昭和63年(1989)」ですからね。
後に出版された「SPIRIT of WONDER」(1997年初版)にはチャイナさんシリーズも収録されています。

最初の単行本「the SPIRIT of WONDER」の表紙はホントに地味なんですよね。草原の少女(後ろ姿)と青空に浮かぶ飛行船のロングショットなので、一見してこれがSFショート集だと分かりづらいです。
しかもこの表紙で本屋さんの店頭に並んでいても探しづらそうです。ファンでなければ探せないのではと思ってしまいます。
裏表紙はキャラクターが出ていてSFショートの感じも出ているので、こっちを表紙にしたほうが良かったのではと思ってしまいます。

この「the SPIRIT of WONDER」の単行本は現在絶版になっているようです。ある意味レアな「お宝漫画」ですね。

「SPIRIT of WONDER」の表紙も、このキャラクターは本編に出ていませんからね。
裏表紙にチャイナさんが出ているので「SPIRIT of WONDER」と分かりますが、本屋さんの店頭では裏表紙を出して並べることはまず無いと思うので、鶴田謙二先生の性格的なものなのか、何考えているのだろうと思います。

(「the SPIRIT of WONDER」あらすじ)

「the SPIRIT of WONDER」は基本的に、トンデモ理論を持つ博士とそれに振り回される人々(特にヒロイン)を描いたSFショート集です。

・異常気象で水没した浜松市で、ノーベル賞を2度も取った祖父が遺した「宝の地図」を元に潜水艦で探索する家族の話。

・瞬間物質移動機を発明したファーブル博士、その原理を利用して月旅行機を発明して月旅行へ行くことに。

・結成50周年を迎える「少年科學倶楽部」。彼らの夢は、宇宙を満たしている物質「エーテル」の対流を利用して宇宙飛行船で火星へ行くことだった。

他にもトンデモSFのような荒唐無稽な理論を元に漫画として、エンターテインメントとして面白く仕上がっています。

 

(「SPIRIT of WONDER」チャイナさんシリーズあらすじ)

チャイナさんは港町ブリストルにある「天回」という店の女主人。
「天回」の2階に住む下宿人はブレッケンリッジ博士。しかし博士は家賃を払わず、それがチャイナさんの悩みの種だった。
ブレッケンリッジ博士と助手のジムは、今日も「月旅行」のための研究に勤しんでいる。

昭和62年「コミックモーニング オープン増刊4号」に「the SPIRIT of WONDER」の「満月の夜月へ行く」を発見したときに、星野之宣先生の新作が掲載されている!と思って雑誌を買いました。
家に帰って増刊号を見ると、星野之宣先生ではなく全然違う作者名だったので驚きました。

星野之宣先生の漫画についての記事があるので見ていただけると分かりますが、僕が鶴田謙二先生の漫画を間違えて買った理由が分かってもらえると思います。

星野之宣先生の絵柄で、しかもSF!。始めは騙された(!)と思っていたのですが、星野之宣先生以上に荒唐無稽な理論を元にしたSFで、力技でエンターティンメントにしているところが漫画ならではの面白さになっていますので、鶴田謙二先生スゲェと思い、以後、作品をチェックするようになりました。

初期の鶴田謙二先生の絵柄は、ホントに星野之宣先生タッチそのものでした。僕が間違えて星野之宣先生の新作だと思っても仕方ないですね。

30年前は「週刊モーニング」に数多くの増刊号が出ていました。「オープン増刊」や「パーティー増刊」などですね。
「the SPIRIT of WONDER」は増刊号に不定期連載されていました。増刊号はいろいろな漫画の実験場みたいな感じでしたね。
その増刊号から数多くの名作漫画が出ています。「寄生獣」(岩明均・著)もそう一つで「オープン増刊」出身です。

鶴田謙二先生の単行本で「SF名物」というのがあります。
これはなんと鶴田謙二先生のデビュー前、同人誌時代の作品が収録されたものです。
プロになる前のアマチュア時代の漫画が、大手出版社である講談社から出版されるのもスゴイ話ですね。
鶴田謙二先生は当時、80年代アニメに影響を受けたような絵柄でした。それが星野之宣先生の影響を受けて「星野タッチ」に変わっていく過程が見られるのが興味深いです。

まんが情報誌「ぱふ」(雑草社)1984年12月号では「星野之宣特集」がありました。星野之宣先生ファンである僕は即買いしました。
この特集の中に、とある漫画があるのですが…

星野之宣先生の絵柄そのまんまのパロディ漫画なのですが、作者名を見ると「鶴田謙二」と書かれています。
僕は「コミックモーニング オープン増刊4号」で初めて鶴田謙二先生の漫画を見たと思ったのですが、実はそれ以前に星野之宣先生パロディとして鶴田謙二先生の漫画を見ていたのでした。
このパロディ漫画は「SF名物」にも収録されており、鶴田謙二先生のコメントによると「ぱふ」からの依頼で描いたものだそうです。

鶴田謙二先生のSF漫画はリアル志向の絵柄でありながら、内容は良い意味での「荒唐無稽」に満ち溢れています。SFは「理屈」よりも「ワンダー」を楽しむものだというのがよく分かります。

徳光康之先生が著作「濃爆おたく先生」で描かれているのですが、「そこにワンダーはあるのかい」とあるように、SFは知識を語るものではなく愛を語るものだと主張されています。

SFは「センス・オフ・ワンダー」だと言われています。「the SPIRIT of WONDER」は正に「ワンダー精神」に溢れた漫画だといえます。

作画配信内での「the SPIRIT of WONDER」の紹介

僕の本棚には、僕の趣味で保管しておいた漫画が、期せずして「お宝」になってしまったものが数多くあります。
「お宝」といってもプレミアが付いて値段が高騰しているものという意味ではありません。
存在そのものが希少となり、現在、紙媒体として入手困難なものを僕の中で「お宝」と定義しています。

このブログではそんな「お宝漫画」を紹介していきます。

「お宝漫画」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在、都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。

過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「お宝漫画」紹介になっています。

・紙単行本(amazonリンク)

「the SPIRIT of WONDER」

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存在そのものが希少となり、現在、紙媒体として入手困難なものを僕の中で「お宝」と定義しています。
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このブログではそんな「お宝漫画」などを紹介していきます。

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