*一番上の画像は僕所蔵の本です。「未成年」(土田世紀・著/講談社)より引用
「俺節」や「編集王」の著者で有名な土田世紀先生ですが、「未成年」はデビュー作で、第1話は1986年モーニング「ちばてつや賞」入選作品。しかも土田世紀先生がなんと高校3年生の時に描かれたものです。
(あらすじ)
秋田に住む高校生、矢沢と引野は野球部に所属するも不祥事を起こし予選にも参加できなかった。
特に野球に真面目に取り組んでいたわけでもなく、やさぐれながらも面白おかしく日々を過ごしている。
土田世紀先生がデビューされた1980年代中期は、漫画の主流は劇画系からラブコメ爽やか系に変わっていく時期でした。
唯一この時期の劇画で例外的に大ヒットしたのは「北斗の拳」(武論尊・作、原哲夫・画)ぐらいでしょうか。
大友克洋先生の漫画もありましたが、大友先生の絵は線が細く洗練された絵柄だったので、劇画系の暑苦しさとはまた違ったものでした。
そんな時代の中で土田世紀先生がデビューされたわけですが、絵柄は時代の主流に反した「劇画系」でした。
とはいえ土田世紀先生の絵柄は大友克洋先生に近い「白を上手く”抜け”に使っている」感じなので、描き込みは多くても暑苦しさは感じられません。
しかし土田世紀先生自身も仰られたようですが「泥臭さ」は確かにありました。でもそれが「味」になっているのだと思います。
僕は当時、週刊モーニングを読んでいて新人賞をチェックしていたので、土田世紀先生の高校生デビューに驚きました。高校生離れした絵の上手さに愕然としました。
それだけでなくキャラクターの「人間臭い」描写がとても深かったので、これを当時高校生が描いていたのかと思うと、そら恐ろしかったです。
「未成年」は単行本にまとまって即買いました。A5サイズのアフタヌーンKCデラックスで322ページあります。大きいサイズの単行本なので読み応えがあります。
作画配信内での「未成年」の紹介(19:27より)
「漫画紹介」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。
過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「漫画紹介」になっています。
僕の漫画スクラップの中にも土田世紀先生の作品が数点あります。
1つは週刊ビックコミックスピリッツで連載された「編集王」の第1話です。
単行本ではモノクロになってしまうので、雑誌掲載時のカラーは貴重です。
タイトルページが、まんま「あしたのジョー」(高森朝雄・作、ちばてつや・画)最終ページなのが衝撃的です。
もう1つは週刊モーニングの企画「自動車クラブ」です。連載陣が車を題材にしてショート漫画を描くというものです。
この中で土田世紀先生は「V8人生」という漫画を描いています。車を女性に見立てて「擬人化」しています。
古い車から新しい車に乗り換えるのを、男女の別れ話のドラマに見立てています。
僕はこの「バシこき!!(ウソつき)」がツボにハマっています(笑)。
高校生デビューのあと「俺節」「編集王」など名作を生みだした土田世紀先生、残念なことに2012年に43歳で亡くなられました。
まだまだ若く、これからの活躍も楽しみにしていただけにとても悲しいです。
土田世紀先生の名作は数ありますが、僕の中では「未成年」が最高です。完成度は「俺節」や「編集王」のほうが高いですが、「未成年」は若い時期だけにしか描けない特別感があって僕は大好きです。
amazonでは現在(2020年5月)紙の単行本が3621円の値が付いていますね(定価は820円)。
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「お宝」といってもプレミアが付いて値段が高騰しているものという意味ではありません。
存在そのものが希少となり、現在、紙媒体として入手困難なものを僕の中で「お宝」と定義しています。
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