*一番上の画像は僕所蔵の本です。「BRAINS」(伊藤智義・作、 久保田眞二・画/集英社)より引用
「たとえ人類がコンピュータなどいらないと言っても、私は私の夢を必ず完成させて見せるさ!!」
これは「BRAINS」の原作者・伊藤智義先生が前作「新・栄光なき天才たち」(伊藤智義・作、 森田信吾・画/集英社)で書かれたコンラート・ツーゼのセリフです。
建築設計の強度計算や航空機設計の計算を迅速におこなえる機械「コンピュータ」を開発しましたが、第二次世界大戦当時、破竹の勢いで連戦連勝していたドイツ軍はコンピュータの重要性に全く気付かず、必要とされませんでした。
コンピュータ無しの生活など考えられない現代から見ると、このコンラート・ツーゼのセリフが実に沁みます。
「栄光なき天才たち」は、こうした報われない偉人たちのエピソードを取り扱った漫画でした。
・紙単行本(amazonリンク)
・Kindle(amazonリンク)
「栄光なき天才たち」連載終了後、伊藤智義先生は久保田眞二先生と組み「BRAINS」の連載を始めました。
「BRAINS」はコンピュータ開発者に焦点を当てた「栄光なき天才たち」と言えます。
(あらすじ)
19世紀イギリスでコンピュータの基礎概念である「解析機関」を構想したチャールズ・バベッジ。
第二次世界大戦時、偶然にもバベッジの「解析機関」と同じ構想を持ちコンピュータを開発、当時のコンピュータ開発のトップだったにもかかわらずドイツ軍から理解を得られなかったコンラード・ツーゼ。
第二次世界大戦時、ドイツの暗号機「エニグマ」の解析に成功したイギリスのアラン・チューリング。
時代に翻弄されながらもコンピュータ開発に打ち込む人々の物語です。
コンピュータというとマッキントッシュやウィンドウズなどが思い浮かびますが、それ以前の「複雑な計算を機械に任すことで、ミスを無くし、正確で迅速な処理をする」という理念から生まれたコンピュータ開発前史はとても魅力的です。
コンピュータの基礎理論は200年前のイギリスでチャールズ・バベッジが「解析機関」構想したものでした。実際に機械を作ろうとして政府から世界初の研究開発助成金も得ましたが、結局、完成までには至りませんでした。
「解析機関」は同じ基礎理論を持ったドイツのコンラート・ツーゼによって機械化されました。バベッジの構想からなんと100年後です。
この時点でコンラート・ツーゼのコンピュータ開発は世界トップレベルでしたが、ドイツ軍はコンピュータの重要性を理解できなかったためコンラート・ツーゼは2度も兵役にかり出されてしまいます。
コンラート・ツーゼは「BRAINS」と「栄光なき天才たち」の両方に登場します。
両方を比べてみるとその違いが興味深いです。
「BRAINS」のコンラート・ツーゼ
「新・栄光なき天才たち」のコンラート・ツーゼ
ドイツではコンピュータ開発が冷遇されていましたが、連合国(アメリカ、イギリス)では国を挙げてのコンピュータ開発に力を入れていました。
特にイギリスでは、ドイツの暗号機「エニグマ」を解読することが戦局を大きく変えることになるため、総力をあげて取り組んでいました。
その中心人物がアラン・チューリングでした。彼は「エニグマ」を解読するだけでなく、さらに「エニグマ」の1000兆倍の暗号表周期を持つ暗号機「ローレンツSZ40」の解読にも成功します。
それが「ノルマンディー上陸作戦」の成功に繋がり、戦局は連合国側に有利になっていきました。
コンピュータの開発が歴史を左右し、またそれに取り組む人々も大きく人生を左右されます。
作画配信内での「BRAINS」の紹介(29:20より)
「漫画紹介」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。
過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「漫画紹介」になっています。
「BRAINS」は1996年にビジネスジャンプで連載されていました。
紙の単行本は2巻まで。amazonでは高値が付いていますね。
電子書籍版は無いようです
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