*一番上の画像は僕所蔵の本です。「啓蒙かまぼこ新聞」(中島らも・著/ビレッジプレス)より引用
中島らもさんといえば「ライター」「小説家」「ミュージシャン」の印象が強いですが、実は以前に広告漫画を描いています。
関西のかまぼこメーカー「かねてつ」の広告を担当し、そこに広告漫画を描いています。
「かねてつ」は昔、関東でもCMが流れていたので覚えています。「てっちゃん」という子供がマスコットキャラクターで「てっちゃん、てっちゃん、かねてっちゃん」というCMソングが流れていました。
この「かねてつ」の広告を中島らもさんが手がけていて、「てっちゃん」の漫画を描いています。
「てっちゃん」は元々のデザインがあるのですが、「てっちゃん」のお父さんは「てっちゃん」の顔に髭を描き足しグラサンをかけるといったトンデモないデザインでした。
「広告らしくない広告」というのがコンセプトらしいのですが、それでもここまでやっていいのかと心配になります。
ウィキペディアで確認すると、どうやら中島らもさんは「かねてつ」の社員と高校生の時の同級生だったらしく、そのツテで広告の仕事を担当したようです。
単行本には表題作の「啓蒙かまぼこ新聞」だけでなく「ドメスティック・コミック微笑家族」も収録されています。
僕が最初に「かねてつ」の広告を見たのは1985年か1986年頃、情報誌「ぴあ」ででした。
「かねてつ」は元々知っていたので、企業広告としてこんなの出すんだと当時驚きました。
「ぴあ」に掲載されていたのは「ドメスティック・コミック微笑家族」でした。
あまりにもインパクトがあったのでスクラップしました。
後年、中島らもさんが有名になっていくので、僕は「かねてつの人、スゲェな」と思っていました。
僕にとって中島らもさんは「ライター」や「小説家」ではなく「かねてつの人」なんですよね。
中島らもさんは破天荒な生き方ゆえ長生きしないだろうなとは思っていましたが、2004年に52歳で亡くなられました。
中島らもさんは「ガダラの豚」など漫画原作も書かれていますが、自身が描かれた漫画が収録されているのは多分「啓蒙かまぼこ新聞」だけかもしれません。貴重な単行本です。
どうやら中島らもさんは学生時代に漫画家志望だったようですね。元々漫画的なセンスが備わっているから「かねてつ」の漫画もイイ感じなんですよね。
「啓蒙かまぼこ新聞」は中古本としてamazonで買えますね。
さすがに電子書籍は無いようですが。
・紙単行本(amazonリンク)
僕の本棚には、僕の趣味で保管しておいた漫画が、期せずして「お宝」になってしまったものが数多くあります。
「お宝」といってもプレミアが付いて値段が高騰しているものという意味ではありません。
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