*一番上の画像は僕所蔵の本です。「超人ロック」(聖悠紀・著/SG企画)より引用
*2022年10月30日に聖悠紀先生は満72歳で逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
毎年6月9日は「ロックの日」ということで、ツイッターのタイムラインではファンによるイラストツイートで賑わいます。
「超人ロック」は聖悠紀先生が描かれている、不死の超能力者「ロック」が主人公のSF漫画です。
「超人ロック」は今から53年前、1967年に同人誌「作画グループ」により発表されました。このとき聖悠紀先生はまだ大学生でした。
「作画グループ」で「超人ロック」はシリーズとして発表され、聖悠紀先生がプロ漫画家になってからは商業誌連載にもなり、掲載誌が変わりながらも現在まで連載が続いています。
(あらすじ)
永遠の時を生き続ける超能力者「ロック」、彼は超能力により永遠の時を生き続け、人類の宇宙進出を永きに渡り見続ける。
地球から植民星へ。植民星が連合国家に。銀河連邦の誕生、汎銀河戦争による銀河連邦の崩壊、銀河帝国の誕生、銀河コンピュータ「ライガー1」による支配、銀河帝国の崩壊、新銀河連邦の誕生。ロックはこれらの出来事を見続けて、また当事者になることもある。
以前に紹介した星野之宣先生の「2001夜物語」も人類が宇宙に進出していく一大抒情詩ということで共通しているのですが、「超人ロック」はその歴史の出来事に全てロックが関わっているトンデモない漫画です。
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目次
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僕が聖悠紀先生のことを知ったのは、70年代後期、当時創刊したばかりの月刊アニメージュに「黄金の戦士」が連載されていたときからです。
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月刊アニメージュでは、「超人ロック」のグッズの通信販売の広告ページがあり、「黄金の戦士」以外の聖悠紀先生の漫画である「超人ロック」に興味を持ちました。
しかし当時は「超人ロック」は同人誌作品であり、僕も小学生だったため、「超人ロック」を読むことは叶いませんでした。ロックのイラストを眺めながら作品について想像するしかありませんでした。
そして1979年、「週刊少年キング」(少年画報社)にて、なんと「超人ロック」の商業誌連載が始まりました。毎週「超人ロック」が読めるなんて奇跡の出来事でした。
「週刊少年キング」版新連載のエピソードは「炎の虎」です。しかし商業誌第1回目の連載といいながら、内容は作画グループで発表された「コズミックゲーム」のエピソードの30年後の話になっています。
「コズミックゲーム」ではロックが心を開いた女性、リアンナ・ミゴールが登場します。リアンナはその後亡くなり「炎の虎」ではリアンナそっくりの連邦軍情報局員がロックに近づきます。
「炎の虎」では「コズミックゲーム」の説明はありません。ロックの過去として少しだけ触れるぐらいです。「週刊少年キング」から「超人ロック」を読み始めた人にとっては何のことだか分からない不親切な内容になっています。
そして1988年、「週刊少年KING(キングから誌名変更)」が休刊、単行本は38巻まで出ています。
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雑誌は休刊になりましたが、「超人ロック」は掲載誌を移籍して連載は続きます。不死のロックのようにw。
現在は「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)と「コミックフラッパー」(メディアファクトリー)の2つの月刊誌で連載が続いています。
連載が53年続いていると、単行本を買うのが追い付きません。写真は僕の本棚に並んだ「超人ロック」の単行本ですが、まだまだ未購入の本があります。
僕が所有している分で大体2000年間のエピソードですね。
53年間の連載というのもスゴイですが、その中で作画グループ時代の旧作をセルフリメイクしているのもあるので、さらにスゴイです。
(旧)「ニンバスと負の世界」→(新)「ソードオブネメシス」
(旧)「この宇宙に愛を」→(新)「オメガ」
(旧)「ジュナンの子」→(新)「久遠の瞳」
(旧)「ライザ」→(新)「ライザ」
第4巻の「コズミックゲーム」のセルフリメイクは無かったですね。見てみたい気もしますけど。
そして2017年、「超人ロック」50週年企画としてロックファンの漫画家によるトリビュート本の企画が立ち上がりました。それぞれの漫画家が「超人ロック」のイラストを寄稿して本にまとめるというものです。
僕は漫画家の樹崎聖先生から声をかけていただき参加することになりました。樹崎聖先生のペンネームの「聖」は聖悠紀先生をもじったもので、相当の「超人ロック」ファンであります。
僕は「超人ロック」ファンになって長いですが、まさかこんな形で自分が「超人ロック」と関われるなんて思ってもみませんでした。正に夢のようです。
50週年トリビュート本はA4サイズなので結構大きいです。この中に超ベテラン先生に交じって僕のイラストも掲載されています。
僕が描いたイラストです。イラストは「エネセスの仮面」のエピソードからです。
本に載ったイラストと原画です。
この50週年トリビュート本出版に伴い、記念パーティーがおこなわれることになりました。
執筆者全員が招待され、聖悠紀先生には内容を秘密にして会場にお招きしてサプライズパーティーをおこなうというものでした。
僕はパーティー会場で初めて聖悠紀先生にお会いしました。ご挨拶をして、僕所有の単行本「コズミックゲーム」にサインしていただきました。
サインだけでなくロックも描いていただきました。もう涙が出そうなぐらい感激しました。
漫画家になってよかったと思えた瞬間です。
50年以上もSF漫画の連載が続いているというのも日本の漫画の懐の深さを感じます。
作画配信内での「超人ロック」の紹介(11;19より)
「お宝漫画」については、僕が以前からおこなっているニコ生作画配信(現在は都合により中断)でも紹介しています。
伊原達矢の「お絵描き中(継)」
2時間の配信の中、ラスト30分から紹介しています。
過去の配信動画はYouTubeにもアップしています。
Tatsuya Ihara Live Drawing
2時間の配信を4分割してアップしているので、動画「その4」が「お宝漫画」紹介になっています。
作画グループ版の「超人ロック」は絶版状態なので今では紙単行本の入手は難しいですね。
最近「超人ロック Classic」(少年画報社)という本が上巻下巻と出ていまして、これに作画グループ版が収録されています。
作画グループ版は幻の漫画になるところでしたが、これで昔の「超人ロック」を今でも読むことができます。
「少年キング」連載での「超人ロック」は、当時のヒットコミックス版の入手は困難で、あっても全巻セット売りになってしまいますね。
紙の単行本なら「完全版」は入手しやすいです。
「少年キング」以降の連載分の紙単行本は、ヤングキングコミックス(少年画報社)やエムエフコミックス・フラッパーシリーズ(KADOKAWA)になりますね。
こちらは電子書籍でも購入可能です。
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